中植正剛 神戸親和女子大学准教授 教育工学を専門にする大学教員の日々の雑感


by toshishyun

最近のアメリカ的出来事

・ 帰国にあたってトラベラーズチェック(TC)を作ろうと銀行に寄るも、その銀行にはなんと500ドル分しかTCがなかった。仕方がないので、隣のもっとおおきな支店に行ったところ、その支店にある8000ドルのTCをなんとかかき集めてくれた。TCなんて使わないらしい。

・ でも、アメリカには便利なデビットカードがある。僕は先週までの数カ月、ほとんど現金というものを持っていなかったし使わなかった。そして、クレジットじゃなくてデビッドのほうが、すぐに口座に反映されるので管理がしやすい。SuicaやEdyみたいにチャージしなくてもいいし。日本でも使えたらいいのになぁ。割り勘のときに困るけど。

・ 賃貸契約の終了にあたって、保証金を清算。あらかじめ渡していた保証金から、電気代ガス代だけを差し引いて、ほぼすべてが返ってくる。保証金は家賃の一カ月分だったし、日本の悪しき敷引きが恨めしい。

・ オーガニックのハンバーガーを食べる。Joe's Cable Carというお店。アメリカ中あちこちでハンバーガーを食べたけど、ここのはたぶん一番おいしかった。なぜいままで行かなかったのだろう。ちょっとサンフランシスコから離れたところにあるけれど、サンフランシスコ旅行に行く人でレンタカーをする人は絶対にはずしてはいけないレストラン。

・ 引っ越しにあたって、家具などは、すべてムービングセールで売却。中古の掃除機など、いろいろなものがネットやメーリングリストを通じて簡単に売れるのはアメリカならではと思う。日本でも、在日の外国人が帰国するときにネットなどでSayonara Saleというのをやっているようだけど、こちらほど活発ではなさそう。日本でももっとムービングセールが活発になれば、いろんなものが安く買えたりしていいのになぁ。

・ サンフランシスコの観光地の路上で似顔絵を描いてもらう。中国人らしきおじさん。少し話をしてみると、どうやら香港が中国に返還される直前に、アメリカに渡ってきたということ。それまではテレビ局でストーリーボードを描いたりしていたということだが、共産党による支配を嫌って渡米。かつて、共産党支配を嫌ってカナダに移住した香港人の話を何かで読んだことがあったけど、実際にそういう人と会って話をしたのは初めて。

・ 引っ越しにあたって、U-haulという引越専門のレンタカー業者から軽トラックを借りる。ネットで見ると、営業所のおじさんはかなり評判のよくない人。しかし、あれこれと選んでいる暇はなかったので、とりあえずその営業所に行ってみる。当のイラン人のおじさんと話をしていると、意外に愛想がいい。愛想が良くなったのは、こちらが日本人だということを知ったからか、単に僕と馬があったのか。おじさん、イラン空軍の軍人だったということで、ちょっぴりイラン軍のうんちくを僕が語ったから機嫌がよくなったのか。いずれにせよ、日本人は中東系の人からは比較的好かれている。僕も中東のおっちゃんに好かれることが多い。

・今回の米国滞在では、以前よりももっと人種や国籍の壁を超えて、いろんな人と交友を温めることができたことを実感する。そういう意味で非常に有意義な滞在になった。
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# by toshishyun | 2009-08-30 15:00 | アメリカ文化

Gogo Board

理科の授業などで、生徒に計測機器をどんどん使わせてやりたいけれども、高くて買えない。そんな悩みを持っている先生には、Gogo Boardというものがあります。MITで開発された教育用の機械で、安価で利用できます。

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この写真では、光センサーと、温度センサー、湿度センサーをつけて、計測しています。計測されたデータは、パソコンでリアルタイムに表示することができます。

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Gogo Boardは、オープンソースの基盤で、販売はしていません。ウェブサイトに掲載された設計図をダウンロードし、部品を自分で調達して、自分で組み立てられるようになっています。調達先も、Gogo Boardのウェブサイトで紹介されています。だいたい3000円くらいでできるということです。これは、Gogo Boardが、もともとは、発展途上国向けに、できるだけ安価に、手元にある素材を使って、高度な機能をもつ機器が使えるようにしようという意図で開発されたからです。

パソコン側には、Gogo Monitorという専用のソフトウェアをインストールしますが、オープンソースのネットロゴを使うと、Gogo Boardと通信するソフトを自分で作ることができます。また、ネットロゴで書かれたプログラムをGogo Boardにダウンロードすることで、パソコンからGogo Boardを切り離しても、自律して計測をするようにGogo Boardを設定できます。計測したデータは、あとでパソコンに取り込み、エクセルなど、いろいろなソフトで利用することができます。

計測だけではなくて、モーターなどの部品をGogo Boardにつけると、ロボットを制作することもできます。ネットロゴで作ったプログラムをGogo Boardにダウンロードして、ロボットをプログラミングします。

レゴのマインドストームとか、MITのクリケットと同じようなシステムですが、基盤もソフトもオープンソースなのが特徴です。

Gogo BoardのWikiには、初心者向けにネットロゴの解説があったりと、サポートが充実しています。

ちなみに、ウェブサイトはこちらです。

http://www.gogoboard.org/cocoon/gogosite/home.xsp?lang=en


ただ一つの問題は・・・説明が全部英語だということです。せっかくこんなに素晴らしいシステムが無料で利用できるのに、言葉の壁があるのはとても残念です。けれども、辞書を引き引き頑張ってみようという先生には、きっときっと素晴らしい宝物のようなパッケージです。いちおう、スペイン語と中国語もありますが、そのうち日本でコミュニティができるといいなぁと思います。
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# by toshishyun | 2009-07-24 06:20 | ラーニングとテクノロジー

レビューやります

スタンフォード大学教育学大学院の、Learning, Design and Technologyコースの院生の修士研究のレビューアーになりました。

毎年8月になると、院生たちが、午前中に教授陣やレビューアーの前で研究発表をして、その後、一般の人が誰でも見に行けるポスターセッションを午後に行います。院生からいろいろ話を聞いていて、今年は面白そうだから、ポスターセッションだけでもフラッと見に行こうかなぁ、ポスターセッションの様子を撮影しといたら、そのうち僕のゼミ生の発表指導にも使えるかもしれないなぁ、なんて考えていたのですが、昨日、レビューアーをお願いできますかというメールが届きました。

以前から、友人の院生達に、8日は見に来るの?って聞かれていて、「あ、いくいく。楽しみ。」なんて軽く答えてたのですが、まさか自分が午前中のレビューをすることになるとは。いろんな教授がいる中でのレビューなので、ちょっぴり緊張しますが、光栄なことです。

僕は、6年前はレビューされるほうの立場で、前日は徹夜、当日の朝は、発表直前に配布物が出来上がり、そのまま緊張でガチガチになりながら発表したことを覚えてます。きっと今年の発表者のみなさんもいまごろ大変な思いをしていることでしょう。彼らの晴れ舞台をしっかり見ることで、自分自身の刺激にもなりそうですし、少しでも彼らの役に立つようなレビューをしたいと思います。

レビューアーは、近隣の企業や学校など、いろいろな人が依頼されますが、こうやって多様な人を審査員として呼んでいろんな意見を吸収しようとするところ、日本の大学でもやってみたら面白そうだと思います。
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# by toshishyun | 2009-07-21 08:51 | その他

つぶやき

この世の中、自然に存在するもの以外は、何一つ残らず、必ず、だれかの頭の中に最初はあった。最初にそれを思ったのは高校生のときだったが、それを考えると、我々は常に他者と、デザインやマテリアルを通して対話している。うちの部屋のブラインドは、いったい誰の頭の中にあったのだろうか。
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# by toshishyun | 2009-07-18 18:55 | その他
以前、ジオボードのことを書いたら、なんだか反響が大きくて、アクセス数が伸びました(笑)。

http://toshisyun.exblog.jp/10390716/

ジオボードはいつごろからあるのですか、という質問もいただきました。ジオボードは、アメリカに移住したエジプトの数学者、カレブ・ガテーニョによって、1950年代に開発されました。

ところで、断っておきますが、僕は、算数教育は素人です。新しい指導法などを探してアクセスされた方、申し訳ありません。ここは教具の紹介だけです。

さて、今回のアメリカの教具の紹介は、パターンブロックです。これは、日本でもよく知られた教具で、パターンブロックをどう使うかの書籍もたくさん出ていますし、日本でも東洋館出版社などが取り扱っています。

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このような、色とりどりのブロックですが、形と大きさ、色が決まっています。

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写真はプラスチックのものですが、僕は、あたたかい木のパターンブロックを買いました。

次のように、黄色の六角形は、赤の台形の2倍、青のひし形の3倍、緑の三角形の6倍になっています

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てことは、赤の台形は、緑の三角形の3倍ということです。このように、お互いの大きさと形がきちんと関連付けられて作られています。

シンプルな教具ですが、シンプルだからこそ奥が深くて、いろんなことが学べます。面積や対称や合同といった図形や測定はもちろんのこと、分数(足し算、引き算、通分など)のような、数や計算を学ぶのにも使えます。

Amazonでも購入できますね。250個入りと50個入りがあるようです。

ネットにも、パターンブロックがあります。マウスで簡単に操作できます。

http://gingerbooth.com/flash/patblocks/patblocks.php

[F11]キーをおして、ブラウザを最大化させて使います。使い方は次のとおりです。
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パターンブロックを使った活動については、色々と本が出ているので、検索するとヒットします。たとえば、こういうのがあります。

パターンブロックタスクカード基本50選 高橋 昭彦 (著)

「パターンブロック 指導案」などと検索すると、いろんな学校でパターンブロックを使った事例がみられるので、家庭で遊ぶ時の参考になります。

それにしても、パターンブロックとか、タングラムとか、ペントミノとか、いろいろと面白い教具がありますね。

いまは、そういうのをうまく使った指導案が、インターネットですぐにみられるのでありがたいことです。
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# by toshishyun | 2009-07-13 07:27 | ラーニングとテクノロジー