中植正剛 神戸親和女子大学准教授 教育工学を専門にする大学教員の日々の雑感


by toshishyun

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Gogo Board

理科の授業などで、生徒に計測機器をどんどん使わせてやりたいけれども、高くて買えない。そんな悩みを持っている先生には、Gogo Boardというものがあります。MITで開発された教育用の機械で、安価で利用できます。

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この写真では、光センサーと、温度センサー、湿度センサーをつけて、計測しています。計測されたデータは、パソコンでリアルタイムに表示することができます。

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Gogo Boardは、オープンソースの基盤で、販売はしていません。ウェブサイトに掲載された設計図をダウンロードし、部品を自分で調達して、自分で組み立てられるようになっています。調達先も、Gogo Boardのウェブサイトで紹介されています。だいたい3000円くらいでできるということです。これは、Gogo Boardが、もともとは、発展途上国向けに、できるだけ安価に、手元にある素材を使って、高度な機能をもつ機器が使えるようにしようという意図で開発されたからです。

パソコン側には、Gogo Monitorという専用のソフトウェアをインストールしますが、オープンソースのネットロゴを使うと、Gogo Boardと通信するソフトを自分で作ることができます。また、ネットロゴで書かれたプログラムをGogo Boardにダウンロードすることで、パソコンからGogo Boardを切り離しても、自律して計測をするようにGogo Boardを設定できます。計測したデータは、あとでパソコンに取り込み、エクセルなど、いろいろなソフトで利用することができます。

計測だけではなくて、モーターなどの部品をGogo Boardにつけると、ロボットを制作することもできます。ネットロゴで作ったプログラムをGogo Boardにダウンロードして、ロボットをプログラミングします。

レゴのマインドストームとか、MITのクリケットと同じようなシステムですが、基盤もソフトもオープンソースなのが特徴です。

Gogo BoardのWikiには、初心者向けにネットロゴの解説があったりと、サポートが充実しています。

ちなみに、ウェブサイトはこちらです。

http://www.gogoboard.org/cocoon/gogosite/home.xsp?lang=en


ただ一つの問題は・・・説明が全部英語だということです。せっかくこんなに素晴らしいシステムが無料で利用できるのに、言葉の壁があるのはとても残念です。けれども、辞書を引き引き頑張ってみようという先生には、きっときっと素晴らしい宝物のようなパッケージです。いちおう、スペイン語と中国語もありますが、そのうち日本でコミュニティができるといいなぁと思います。
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by toshishyun | 2009-07-24 06:20 | ラーニングとテクノロジー

レビューやります

スタンフォード大学教育学大学院の、Learning, Design and Technologyコースの院生の修士研究のレビューアーになりました。

毎年8月になると、院生たちが、午前中に教授陣やレビューアーの前で研究発表をして、その後、一般の人が誰でも見に行けるポスターセッションを午後に行います。院生からいろいろ話を聞いていて、今年は面白そうだから、ポスターセッションだけでもフラッと見に行こうかなぁ、ポスターセッションの様子を撮影しといたら、そのうち僕のゼミ生の発表指導にも使えるかもしれないなぁ、なんて考えていたのですが、昨日、レビューアーをお願いできますかというメールが届きました。

以前から、友人の院生達に、8日は見に来るの?って聞かれていて、「あ、いくいく。楽しみ。」なんて軽く答えてたのですが、まさか自分が午前中のレビューをすることになるとは。いろんな教授がいる中でのレビューなので、ちょっぴり緊張しますが、光栄なことです。

僕は、6年前はレビューされるほうの立場で、前日は徹夜、当日の朝は、発表直前に配布物が出来上がり、そのまま緊張でガチガチになりながら発表したことを覚えてます。きっと今年の発表者のみなさんもいまごろ大変な思いをしていることでしょう。彼らの晴れ舞台をしっかり見ることで、自分自身の刺激にもなりそうですし、少しでも彼らの役に立つようなレビューをしたいと思います。

レビューアーは、近隣の企業や学校など、いろいろな人が依頼されますが、こうやって多様な人を審査員として呼んでいろんな意見を吸収しようとするところ、日本の大学でもやってみたら面白そうだと思います。
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by toshishyun | 2009-07-21 08:51 | その他

つぶやき

この世の中、自然に存在するもの以外は、何一つ残らず、必ず、だれかの頭の中に最初はあった。最初にそれを思ったのは高校生のときだったが、それを考えると、我々は常に他者と、デザインやマテリアルを通して対話している。うちの部屋のブラインドは、いったい誰の頭の中にあったのだろうか。
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by toshishyun | 2009-07-18 18:55 | その他
以前、ジオボードのことを書いたら、なんだか反響が大きくて、アクセス数が伸びました(笑)。

http://toshisyun.exblog.jp/10390716/

ジオボードはいつごろからあるのですか、という質問もいただきました。ジオボードは、アメリカに移住したエジプトの数学者、カレブ・ガテーニョによって、1950年代に開発されました。

ところで、断っておきますが、僕は、算数教育は素人です。新しい指導法などを探してアクセスされた方、申し訳ありません。ここは教具の紹介だけです。

さて、今回のアメリカの教具の紹介は、パターンブロックです。これは、日本でもよく知られた教具で、パターンブロックをどう使うかの書籍もたくさん出ていますし、日本でも東洋館出版社などが取り扱っています。

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このような、色とりどりのブロックですが、形と大きさ、色が決まっています。

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写真はプラスチックのものですが、僕は、あたたかい木のパターンブロックを買いました。

次のように、黄色の六角形は、赤の台形の2倍、青のひし形の3倍、緑の三角形の6倍になっています

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てことは、赤の台形は、緑の三角形の3倍ということです。このように、お互いの大きさと形がきちんと関連付けられて作られています。

シンプルな教具ですが、シンプルだからこそ奥が深くて、いろんなことが学べます。面積や対称や合同といった図形や測定はもちろんのこと、分数(足し算、引き算、通分など)のような、数や計算を学ぶのにも使えます。

Amazonでも購入できますね。250個入りと50個入りがあるようです。

ネットにも、パターンブロックがあります。マウスで簡単に操作できます。

http://gingerbooth.com/flash/patblocks/patblocks.php

[F11]キーをおして、ブラウザを最大化させて使います。使い方は次のとおりです。
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パターンブロックを使った活動については、色々と本が出ているので、検索するとヒットします。たとえば、こういうのがあります。

パターンブロックタスクカード基本50選 高橋 昭彦 (著)

「パターンブロック 指導案」などと検索すると、いろんな学校でパターンブロックを使った事例がみられるので、家庭で遊ぶ時の参考になります。

それにしても、パターンブロックとか、タングラムとか、ペントミノとか、いろいろと面白い教具がありますね。

いまは、そういうのをうまく使った指導案が、インターネットですぐにみられるのでありがたいことです。
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by toshishyun | 2009-07-13 07:27 | ラーニングとテクノロジー

日本人の評判は・・・

今日、研究所のデスクでアレコレやっていると、ご近所さんが、「世界でいちばん評判がいい旅行者は、日本人だ!」という記事を大きな声で紹介した。まわりにいた研究員たちで、ひととおり盛り上がった。アメリカ人に加えて、エクアドル人、フィンランド人、シンガポール人、メキシコ移民、インドネシア移民など、なかなかバラエティーあふれる面々だ。

なんでも、日本人は「フレンドリー」で、「綺麗好き」で、「お行儀がよくて」だそうで、聴いてるとむずがゆくなってくる。

「僕、みんなにフレンドリーかなぁ?」と言ってみると、みんな"Oh yeah!!"と、親指をたてて言ってくれてほっとした。

そのあと、インドネシア移民の人が言ったひとこと、うーーーーーん、と思わずうなってしまった。

「わたし、インドネシアのホテルで働いてたことあるけど、日本人はとっても礼儀正しくて、騒がないし、綺麗好きだった。けど、サービスが良くなくても、アメリカ人みたいに騒いだりしないし、怒らない。・・・けど、日本人って、サービスが悪いと、その場はニコニコしてても、後がこわいのよねぇ。ホテルに日本人がこなくなるから。」

よくわかっていらっしゃる。

まぁなんでも、フィンランド人も面と向かっては文句を言わないそうで、いろいろ聞いてると、フィンランド人と日本人はなかなか、ソリが合いそうな国民性である。
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by toshishyun | 2009-07-10 11:12 | アメリカ文化

アメリカの巨大さ

今回、米国滞在通算5年目にして、アメリカの巨大さというものが実感としてわかってきました。

日本も多様な地方文化がある国だけれど、アメリカの巨大さは理解の範囲を超えています。たとえば、教育について「アメリカでは・・・?」などと聞かれても、答えようがない。

例えば、うちの近辺の学区でも、学校によって教えていることはバラバラ、いや、もっといえば、先生によって教えていることがバラバラ。カリキュラムに拘束力がないからです。

小学校では、1年~3年までしか教えない先生、1年~3年と5年しか教えない先生など、学年配当も変わっています。

それから、同じ学区内の学校でも、ある学校は幼稚園から2年生までしかなくて、別の学校は3年生から5年生までしかない。もちろん、普通に幼稚園~5年生まである学校もあります。(中学は4年制です)。

また、私立校と公立校では、入学時の年齢の算出方法が違ったりします。日本だと4月~3月が一学年ですが、ここでは、9月~8月の場合と、10月~9月の場合がある。だから、同じ子が、通う学校にいくと学年が変わる。

日本でいう指導主事のような、各教科のコーチは、学校が雇う場合もあれば、学区が雇う場合もあれば、州が雇う場合もある。校長は、教員経験がない民間人が採用されて3年ほどで辞めていったりする。10年で11人の校長が辞めた学校もあるが、それは異常なことではない。

このような多様性を挙げればきりがありません。そして、こういう多様性に富んだ学区が、ベイエリアの東側だけで数十。その中には、半公立のチャータースクールなどもあります。そして、これらの学区には、実にさまざまなNPOや財団や企業が出入りし、サマースクールやアフタースクールを提供し、学校ごとに特色をかもしだしています。

日本の広さほどのカリフォルニアには数百、そういう学区があります。だから、アメリカと言わず、カリフォルニアの教育の特色は?などという質問ですら、なかなか答えるのが難しい。サンフランシスコのある北カリフォルニアとLAのある南カリフォルニアではカルチャーも全然違います。

こういうのが50州あるわけです。

アメリカは州が違えば国が違うと言われるほど、州の権限が大きく、ある州では違法でも別の州では合法になりますが、教育でも、州によって制度や内容が違います。たとえ科学的であっても、キリスト教の教義に背くことを教えてはいけない州もあります。

人に話を聞けば聞くほど、知れば知るほど、その像を掴もうとすればするほど、するりするりと逃げられて、あとからあとから、考えたこともなかったような事実が出てきます。

ここから飛行機で7時間ほど飛ばないと、反対の端っこである東海岸には行けませんが、そのあいだに横たわる広大な国土の上で、莫大な数の教師や生徒が、先述のような状態でちりばめられているんです。気が遠くなりそうです。
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by toshishyun | 2009-07-09 16:02 | アメリカ文化

労働時間と生活

国と国を比べるなんてことは、そもそもできないことなのだと思います。地域によって、街によって、人によって、みんなそれぞればらばらで、「アメリカは」「日本は」なんていう括りでは比べられません。

けれど、やっぱり目につくことはあるわけで、それがアメリカ全体を表しているものかどうかはわからないけど、なんとなくそこに違いを感じることもあるわけです。

僕が不思議なのは、アメリカ人の労働時間。

全員とは言わないけれど、けっこう多くの人が4:30-5:00になったらさっさと帰っちゃいます。家にもちかえりで仕事してる人も結構いるようですが、とにかく帰っちゃう。僕はたいてい7:00ごろまでは仕事場にいるのですが、大抵誰もいなくなってるか、1人か2人残っている程度です。7:30になるともう誰もいません。

大学だからかなぁとも思いましたが、どうやらそうでもなさそうで、うちのお向かいさん、GoogleでM&Aをやっているマネージャーさんですが、たまに僕が6:00ごろに「今日は早かったなぁ」なんて思いながら家に帰ると、奥さん子どもを連れて散歩から帰ってきたりします。どうやら4:30ごろに帰ってきて、洗濯をしていることもよくあるそうです。そして寝るのが早い。10:30ごろには真っ暗になってます。

階下の住人もGoogleのプログラマーですが、僕が帰宅するころには、かならず家に帰ってます。出勤は9:30ごろのようです。自転車でフラッと出かけていきます。

もちろん、アメリカ人でも激務の人もいます。知り合いの旦那さんは、金融関係なのですが、東部標準時で働いているため、朝は5:00ごろから仕事を始めて、夜までずっと働いているそうです。

職務によっては、休日も出てくることももちろんあるでしょうし、みんなが早く帰っているわけではありません。休日にスターバックスで仕事を片付けている人もよく見かけるし、自分なりに時間を見つけて仕事をしてる人、たくさんいます。
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by toshishyun | 2009-07-09 01:53 | アメリカ文化

授業研究インタビュー

米国滞在も残るところあと少なくなって、最近はベイエリアの小学校の先生たちに、授業研究のことをインタビューしている。お一人90分程度をいただいてお話いただいている。こちらの先生は、報酬を提示しないと通常はこういうインタビューには参加してくれないものだが、みなさんとても親切で、無償で応じてくださっている。

数名から話を聞いて見えてきたのは、日本の学校の次のような良さである。

 ・ 授業研究(教員研修)の人的ネットワークがしっかりしていること。この内容なら、あそこのあの人に助言指導に来てもらったらいいというのが、すぐにわかる。
 ・ 相互扶助の文化があること。授業研究でちょっと教室を留守に、という場合の同僚のフォローがある。子どもたちに自習をさせられる安心感
 ・ 生徒が下校してからも、きちんと働く習慣。学校をよくするため、教える仕事以外の仕事も積極的にみんなで引き受けようという文化
 ・ 校長の裁量で、教員がわりと自由にやらせてもらえるところ。アメリカと違って、校長には予算や人事の権限はほとんどないが、そのかわり、自発的に頑張ろうという教員には、わりと目をつぶって自由にやらせてもらえる。
 ・ 標準テストの結果が公開されないので、総合的に子どもの学力を伸ばしてやろうという文化がある。アメリカの教師は、学力テストが公開されるので、どうしても理解をさせるのではなく、テストの点を伸ばすための教え込みになりがち

まぁ、だいたいこういうところであるが、詳細はそのうち論文にまとめようと思う。
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by toshishyun | 2009-07-07 15:44 | ラーニングとテクノロジー

Twitterはじめて、Yahoo Pipes

Twitterはじめました。このブログ、教育とテクノロジー関連の内容も、プライベートな内容もまぜこぜだったので、ここらでちょっと情報の交通整理することにしました。

そして、僕がやりたかったのは、このブログとTwitterをまとめて、mixiに配信すること。こうすることで、マイミクの方には、両方の更新情報が届きます。こうしておいて、Twitterはプライベートに、このブログはもっと仕事関連の内容にしていこうと思っています。「○○食べてうまかった」ってな内容、なんとなくこのブログに書くのははばかられて、更新頻度も次第に低くなっていたのでうすが、そういうのはもう、Twitterにすることで、これからは躊躇なく書けそうです。

Yahoo Pipes(http://pipes.yahoo.com/)というのを使うと、複数のサイトのRSSをまとめて配信することができます。TwitterとこのブログのRSSをmixiの日記に配信するようにしました。
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Pipesは、いろいろなフィルタリングをかけることもできます。たとえば、Twitterの頻繁な更新をすべてmixiに反映させないで、特定のキーワードを入れた投稿だけ、mixiに反映させるということもできるようです。

同じようなサービスで、mixfeedとか、googleのリーダーも使えますが、yahoo pipesのほうがよさそうです。mixfeedは重たい、googleのリーダーは広告が入っちゃいます。


Yahoo Pipesの使い方の詳細はこの方のページに載っています。
http://chikura.fprog.com/index.php?mode=show&UID=1175617938

Yahoo Pipesとは関係ありませんが、ついでに、Facebookにも、Twitterへの投稿が反映されるようにしました。Facebookは、日本のmixiみたいなもんです。あっちにもこっちにも参加しているので、一回の書き込みで、mixiにもfacebookにも投稿が反映できるようにしました。

[fmixi]
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by toshishyun | 2009-07-06 10:41 | その他