中植正剛 神戸親和女子大学准教授 教育工学を専門にする大学教員の日々の雑感


by toshishyun

カテゴリ:アメリカ文化( 36 )

来月、公開授業を見にいくことにしていましたが、先方の手違いで4日間のうち、1日分の登録ができていなかったとのこと。しかし、当然当日欠席も見込まれるわけで、たぶん僕の席も確保できる見通し。

先方のメールには、"Thursday is already fully booked (and I was unaware that you were
attending), but we can "play it by ear" as they say" と書いてありました。

"play it by ear"って実は僕は初めて聞いたのですが、「臨機応変にやりましょう」ということ。「まぁ欠席もでるし大丈夫でしょ?当日適当にやりましょう」っていうことですね。

"play it by ear"。適当にやりましょう。成り行きにまかせましょう。ノリで決めましょう。

語源は面倒なんで調べませんが、きっと楽器でしょう。聞いたまま演奏するという耳コピーというやつか、あるいは、ジャズの即興演奏みたいなもんでしょうかね?

ファジーな日本人(僕?)にはとても使い勝手のよさそうなフレーズです。今後とも多用させてもらいます(笑)。いや、生きた英語を学ぶってのはこういうことですね。
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by toshishyun | 2009-02-25 10:41 | アメリカ文化

がんばれニッポン

Men's Gymnastics - Stanford University Official Athletic Site

スタンフォード大学はいろんなスポーツが強いので楽しませてくれます。

今週末は、スタンフォード大学体操部 vs 日本・大学選抜チーム のエキシビジョンマッチを見に行きます。

スタンフォード大学体操部は、NCAAで過去3度優勝経験のある強豪チームです。

かたや日本の男子体操のレベルの高さはみなさまご存知のとおりです。

先週のパシフィックコースト・クラシックでは、日本選抜チームが最後の種目でスタンフォード大学を逆転して優勝。スタンフォード大学はリベンジを果たすべく、ホームのエキシビションマッチで日本選抜を迎え討ちます。

僕は体操競技を生で見たことがないのですが、一度だけスタンフォード大学の練習を見たことがあります。あまりにもすごすぎて、逆にとってもシンプルに見えました。

とっても楽しみです。どちらを応援するか迷いますが、やっぱり日本かなぁ?
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by toshishyun | 2009-02-25 10:03 | アメリカ文化
答えは未定

アメリカの教育と日本の教育についてのこういう比較を読むたびに、日本人としての僕は、ちょっぴりユウウツな気持ちになってしまいます。「アメリカの教育=素晴らしい・高度、日本の教育=ダメ・低度」という価値観がそれとなく伝わってくるような気がするからです。

アメリカと日本の大学教育について、僕は専門家でもなんでもありません。ただ、僕は、日本の大学で学部(文系)を卒業し、アメリカの大学で学部(理系)を卒業し、アメリカの大学院(文系)を卒業し、日本で大学教員をやっています。そして今は、アメリカの大学で客員研究員をしながら、授業を垣間見る機会がありますので、多少は日米の大学を眺めてきた経験があります。

確かに、この記事のように、アメリカの試験や課題は答えが決まっていなくて、自分たちで考えさせるタイプのものも多いですし、問題設定から始めて、論理を積み上げていくという思考力が重視されます。それに対して、確かに日本の試験は教科書の答えをなぞるタイプのものも多いです。

ただしこれは試験同士を比べるからそうなるだけであって、もっと広くカリキュラムを見れば、日本の大学教育でも、アメリカの英文エッセーのような一つの型にハマったやり方ではないかもしれませんが、答えのない問題を自分で考えるということは行われています。

日本の場合は、問題設定から結論を導きだすのために、共同でコンセンサスを得ながら暗黙知を作り出していくようなやり方がポピュラーですから、それはアメリカ流とは違うかもしれません。しかも日本人はそういうプロトコルをドキュメント化しない傾向があるので、アメリカのように「わかりやすい」思考法にのっとったやり方とは違うのだろうと思います。

ところで、なぜ日本の試験が教科書の答えをなぞるようなタイプになるのか・・・それはきっとカリキュラムの違いでしょう。

アメリカの学生は、一学期にせいぜい5科目程度しか履修しません。それに比べて日本の学生は多い時には20科目以上履修します。もしも日本の期末試験をアメリカのように問題解決型にすると、いろんな問題が生じます。 1) 日本では教員の持つ科目数が多いので、時間のかかる問題解決型は教員が採点できない 2) 5科目程度なら、それぞれの科目について広汎な知識を仕入れる時間がある。また、学期中の課題にも相当の時間をかけているはずなので、そのタメが試験で利用できる。これを20科目でやるのは難しい 3) 20もの異なる分野について、それぞれに深い理解をもってゼロから問題解決を行うのは困難。

ちなみに、アメリカでは出席はマストですが、最近は日本でもマストです。これについても、アメリカはそもそも科目数が少ないから、余裕で出席できます。朝9時から夕方5時半過ぎまで、月曜~金曜までずっと出席、祝日にも補講、なんてことはありません。

あと、アメリカの大学=厳しい、日本の大学=楽、ってことはないと思います。確かに僕が行ってた学部の授業でも、40人いた生徒が10人になって、残りが脱落したなんてこともありました。けど、あの程度の科目数の履修で脱落するのは、アメリカの大学が厳しいのではなく、ハーバードのようなアイヴィーの学生はちょっと置いといて、やはり能力不足だと思います。

アメリカの大学と日本の大学、それぞれやり方が違うわけで、思考力の育成にしても、どこに重点を置くかが異なるわけです。アメリカの場合は試験にそれが現れているということで、日本の大学でも授業や課外活動で答の決まっていない問題を取り扱ったりするわけです。また、アメリカの大学では、以前から指摘されているように、評価のインフレが起こっているので、大した思考力に裏付けられていない文章でも、B+とかAとかが貰えたりするので、そういう問題もあるわけです。

ただ、この記事が紹介されているアメリカ式の批判的思考法や、型にはまったエッセーの書き方などは大いに学ぶ必要があると思いますし、こういう、プロトコルが明確な思考の方法論が無いところは日本の教育の弱点ではあります。

 
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by toshishyun | 2009-02-16 11:16 | アメリカ文化

ラッコ

釧路でくぅちゃんが大人気のようですね。こういうのがあると、すぐにくぅちゃんせんべいとかを売り出したり、ワイドショーで毎日やじうまを追いかけたりと、お祭り騒ぎが始まるんですが、僕はこの手のブームに乗っかるのがとっても苦手です。

けどちょっぴり乗っかってみます。

さて、ここシリコンバレーから南へ一時間、モントレーという港町では、野生のラッコが見られます。

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写真は12月にモントレーに行ったときのものですが、この日は2頭のラッコがチャポチャポ泳いでいました。なかなか可愛らしくて愛きょうがあります。

ラッコは歴史的に、クジラやイルカやアシカなんかと比べると、比較的遅い目に海に戻った動物なので、海での生活にもいろいろ不便な点があるようです。大変なのは、皮下脂肪が発達してないのですぐに体温が下がること。だからラッコは仰向けに浮きながら手足を海面から出して、日光で手足をあたためたり、必死で毛づくろいをして、毛の中に空気を入れて保温効果を高めます。それと、体温を保つために、必死に食べ続けます。食べ続けないと、死んじゃうのです。プカプカ優雅そうに見えますが、かなり忙しい動物なんですね。

ちなみに、上記の写真の撮影は、モントレー水族館の展望デッキからでして、実は水族館の中にもラッコがいます。僕なんかは、水族館の中のラッコと、外の自然のラッコ、自分がラッコだったらどっちになりたいかなぁ、なんて考えてしまいます。

僕ならば、贅沢ですが、「いったりきたり」がいいです(笑)。水族館の中で、えさをたっぷりもらって、安全な環境でしばらく住んで飽きたら、自然の海で雄大に過ごす。それに飽きたら、また水族館に行く。・・・そんなんだめですか?みなさんはいかがでしょう?

さて、くぅちゃん、いろんな人が騒いで見に行ってますが、そっとしてやってほしいものです。子どもに見せてやりたいって人もいるでしょうが、くぅちゃんはそもそも川でそうやって生きている生き物ではないでしょうから。

そんなことより、かつてラッコが乱獲されて絶滅した襟裳岬に野生のラッコを呼び戻すなどして、本当の野生の姿のラッコが見れるようになればいいなぁと思います。調べてみたら、3頭ほど居るようですよ。魚介類を食い荒らすという問題も発生しているようですが。

ちなみにラッコは海獺(うみうそ)という漢字を書きまして、英語では Sea Otter(うみのかわうそ)と言います。やっぱりくぅちゃんはカワウソではないので、そっとしてやりましょう(笑)。この辺のうんちくはウィキペディア先生が教えてくれます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B3

さてこのブログ、僕の知っている人がけっこうこっそり見に来てくださってると聞きます。よかったら匿名でもいいんで、なんかコメントしていってくださいね(笑)。
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by toshishyun | 2009-02-16 03:34 | アメリカ文化
Welcome to ChezPanisse.com

日本でもオーガニックはすでに普及しきったような感がありますが、ベイエリアもオーガニックに対する関心はとても高いです。

オーガニック専門のWhole Foodsというスーパーマーケットは、いつも繁盛していて、ひっきりなしに車が出入りしています。普通のスーパーよりもちょっと高い目なので、小ざっぱりした格好の方がお客さんに多いのですが、それでもアメリカ人はスーパーの中に置いてあるものを、食べる食べる!スナック菓子の袋を開けて、ショッピングカートの上に置いて食べながら買い物をするなんてのはざらで、ツワモノはアイスクリームの大きな箱を開けて食べてたり、ランチボックスに入った料理を普通に食べています。スーパー全体が巨大な試食コーナーと化しています。従業員ですら、休憩時間に陳列してある飲み物を開けて飲んでいます。まぁ、しない人はしないんですけどね、もちろん。

え、僕?僕はたまに試食用に置いてあるオリーブを「毎回」いただいてるくらいですよ。あと、試食用のチップスとか。試食用ではないものを食べていないとはいえ、だんだん「食べるのがあたりまえ」みたいになってくるのが怖いですが。

話が脱線しましたが、そんななかで、ぜひ行ってみたいのが、ノースバークレーにあるChez pannisse(シェパニーズ)というレストラン。カリフォルニア料理の母といわれるアリス・ウォーターズが作った、「カリフォルニアで最初のカリフォルニア料理のレストラン」です。その日仕入れられたオーガニック食材を使って作るので、コースが1つだけというメニューだそうです。

1月は忙しいので、2月中旬くらいに行こうかと思っています。

ところで僕は、オーガニックは、数年前から始めています。水はミネラルウォーターを10年ほど前から飲むようにしていましたし、同じく食材には10年近く前から気を使っています。やはり、きちんとした食材を食べると味覚が変わってきます。

十数年前の学生の頃は、水は水道の水、食べ物は、ラーメンとかファーストフードなんかの、B級グルメと言われる外食や、スーパーの出来合いのものを食べることがおおかった(というかほとんど毎日)のですが、ある時期、食べ物の味がよくわからなくなってたことがありました。そういう期間が年単位で続いていたように思います。何回かの食事に一回、塩味以外ぜんぜん味が感じられないのです。いまから思えば、人工調味料などの取り過ぎで舌がおかしくなってたのだと思います。

それから、昔の僕は、「ちゃんとしたものを食べなさい」ということが理解できていませんでした。子供のころ、家庭で、「男なら(*)、出されたものは黙って残さず食べなさい」というしつけをされていましたので、食べ物をより好みをすること自体考えられないという性格もあって、なんとなくこう、オーガニックとか自然食とか、水はミネラルウォーターだとか、産地にこだわった食材だとか、あそこの店は上手いだのまずいだの、そういうケチなことにこだわることに嫌悪感を抱いていたという事情もありました。ごちゃごちゃ言わずに黙って食え、と、まぁそう思っていたわけです。

(*「男なら」、ってセリフはなにぶん25年以上も前のことですので・・・。いまならこういうこと言ってしつける親って少ないでしょうね。)

こういう前時代的な感性に学生の貧乏な懐具合がプラスされると、上記のように「味覚バカ」になってしまう危険があるわけです。当時は食育なんて言葉もありませんでしたしね。自分ではそれが日常になっているので気づいていませんでしたが、おそらく体調もあんまりよくなかったはずです。

まぁしかし、10年近く前に、いろんなきっかけで、自然食のものとか、きちんとした食材で作られたものを口にするようになって数か月が経ってから、明らかに自分の味覚が変わってきました。まず、レストランに行って出された水を飲むと、水道の水なのか、ミネラルウォーターなのか、浄水器を使った水なのかがわかるようになりました。レモンなんか入れてごまかしても、だいたいわかります。また、料理を食べたときに、MSGを入れて味をごまかしているかどうかもわかるようになりました。そして、「おいしい」と「それほどおいしくない」の区別がつくようになりました。自分の中に「まずい」というカテゴリーができることが幸せなことかどうかはわかりませんが、それ以上に、食のもたらす生活の豊かさというものに気づくことで、自分の感性が少しは豊かになった気がします。

それから、明らかに体調が変わりました。なんというか、倦怠感がなくなったような気がします。これは単に「気のせい」かもしれませんが、人間の健康にとって「気のせい」の果たす役割はとても大きいと思うので、それだけでも効果があったと思っています。

あぁ、でもやっぱりときどき、ファーストフードのハンバーガーとかポテトとかが死ぬほど食べたくなって、食べてしまいます(笑)。あのチープな人工調味料の刺激が欲しくなるんですね。ファーストフードはドラッグです。

あ、それから、自分の中に「まずい」というカテゴリーができた後になっても、僕は知っている人の作ったものは決してまずいとは感じません。無理にそうしようと思っているのではなく、ほんとうにまずいと感じないのです。そこには愛情が入っているからです。たぶん。
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by toshishyun | 2009-01-26 05:16 | アメリカ文化
12月22日の自動車事故の処理がほぼ片付いたので、簡単にまとめておきたいと思います。

どなたか必要な方のためになれば、と思います。ただし、私自身もそれほどアメリカの保険制度などに詳しくないので、ここに書いてあることはあくまでも参考にしてください。

事故で気が重いうえに、アメリカの保険会社は何度もこちらから電話をしないと全然動かないので大変だと思いますが、きちんと手順を踏めばかならず解決することなので頑張ってください。

アメリカの自動車事故の処理の流れは大まかに次のようになります。

①事故現場での情報収集→②破損がひどい場合は牽引→③事故を保険会社に連絡してClaimをあげる→④Adjuster(担当者)が割り当てられる→⑤Liabilityが認められる(相手の保険会社の場合)→⑥事故車の修理の見積もりを受ける

①事故現場での情報収集
相手の免許証の番号、相手の連絡先、車種と年式、ナンバープレートとVIN、相手の保険会社と契約番号、可能であれば現場の写真を撮っておく

②破損がひどい場合は牽引
AAAに加入しておくと無料。相手に過失がある場合は、相手の保険会社が支払う

③Claimをあげる
相手が悪い時には相手の保険会社に。自分が悪い時には自分の保険会社に。ただし、相手が悪い時でも念のために自分の保険会社にもあげといたほうが・・・。Claimをあげると、Claim Numberというのをもらうので、メモしておく。事故の情報はすべてこのClaim Numberで記録されます

④Adjuster(担当者)が割り当てられる
アメリカの担当者はこちらから何度もつっつかないと動きません。なしのつぶてになったときには、「どうなってる?」という電話を何度も入れましょう。担当者が不在のときには、同僚に内線をまわしてもらって、同僚に話をします。

⑤責任(Liability)が認められる
相手の保険会社を利用する場合は、相手の保険会社が責任を認めなければいけません。このあたりの詳しいことは私にもまだわからないことが多いので、自分の加入している保険の担当者などに相談するのがいいと思います。

⑥事故車の修理の見積もりを受けます。
見積もりの金額が、市場価格を上回ったら全損です。市場価格はおおむねKelly's Blue Bookの価格になるようです。例えば、修理の見積もりが3000ドルで、市場価格が2500ドルの車だと、全損です。あなたの手に入るお金は、修理の見積もり額か市場価格のどちらか少ないほうになります。はじめから全損扱いになる場合もあります。その場合は市場価格分があなたに支払われます。

なお、自動車が運転不可能なほど損害を受けた場合は、レンタカーを借りることができます。このとき、レンタカー代は保険会社が負担してくれます。相手の保険会社の場合は、相手の保険会社が責任(Liability)を認めたときに限るでしょう。レンタカーの期間は、私の場合は、事故の全損の見積もりが通知されてから三日以内に返却することという条件でした。


以下は私の体験です。

*** 事故の状況 ***
2008年12月22日夜。駐車場に駐車中に、相手の車に前方から激しくあたられたというものでした。私は乗車していなかったので、もちろん完全に相手に非があります。なお、私の隣の車もあてられていました。周りには多くの目撃者がいました。私の自動車は大破しており、結論から言うと全損になりました。

DAY 1 12/22

*** 事故現場で ***
まず、事故現場では、速やかに相手の運転免許書の番号、相手の連絡先、保険会社の名前、保険の契約番号を聞きました。また、相手の自動車の型や年式、ナンバープレートとともに、VIN(Vehicle Identification Number)も控えました。VINは相手に聞いて教えてもらいましたが、フロントガラスの左下あたりのにも必ず記載されています。同様に相手にも同じ情報を教えました。

さらに、現場の写真を携帯で撮影しておきました。また、私の隣の自動車も被害を受けていましたので、名刺を交換して、なにかあったときにはお互いに証言をすることを確認しました。

事故の相手が警察を呼びましたが、今回の事故はスーパーの駐車場という私有地でしたので、警察は事故現場を確認しただけで、報告書は作成しませんでした。しかし、万が一のために警察官の名刺をもらっておきました。

私の自動車も相手の自動車も大きく破損していたので、AAAを呼んで、牽引(Toe)してもらいました。こういうときのために、AAAに加入しておくことをお勧めします。牽引先をどこにしますかと聞かれたので、とても困って、最初は「じゃぁ・・・うちの前まで」と言っていたのですが、大破した車を家の前に置いておくと、警察に持っていかれてしまうと言われました。そこで、牽引してくれるドライバーの所属している修理屋さんに持っていってもらうことにしました。

家に帰ろうにも車がないので、牽引してくれた会社の車で家に帰りました。

*** Claimをあげる***
次に、事故についてのClaimを保険会社にあげなければなりません。保険会社の事故連絡用の窓口に電話をします。自分に過失がある場合は自分の保険会社になります。相手に過失がある場合は相手の保険会社になります。

私はそういうことを知らなかったので、とりあえず自分の保険会社(Farmers)にClaimをあげました。このClaimは後ほどとりさげることになりますが、相手が過失を認めなかった場合は、最悪自分の保険会社に世話になることが予想されるので、いちおう自分の保険会社にもClaimはあげておくべきだと思います。

夜に事故をしたので、私が当日にできたのはここまででした。帰宅後、忘れないうちにパソコンにファイルを作って、この日に取り交わした情報をすべて入力しておきました。これは大切なことです。なぜなら、この後、さまざまな担当者が現れるからで、それらの情報をきちんと整理しておかないとわけがわからなくなるからです。

DAY 2 12/23

*** 相手の保険会社にClaimをあげる ***
さて、次の日の朝、自分の保険会社のいつもの担当者に事故の話を報告したところ、相手の保険で処理をしたいのであれば、相手の保険会社にClaimをあげなければならないことを知り、遅ればせながら、急いで相手の保険会社(USAA)にClaimをあげることになりました。

この時点で、事故現場のもう一人の被害者に連絡をとったところ、彼はすでに相手の保険会社にClaimをあげた後でした。彼から担当者(adjuster)を聞きだし、そこに電話をしました。しかしこの担当者がいつまでも不在だったため、別の担当者に内線をまわしてもらって、自分のClaimもあげました。(USAAの電話は、担当者不在の場合は留守番電話になり、そこで0をダイヤルすると別の担当者に繋がります)。Claimをあげたら、Claim Numerというものをもらいます。これは事故の番号になり、この後ずっと必要になるので大切にとっておきます。

ところで、相手の保険会社とのやりとりなんですが、自分の保険会社の担当者を通してやるか、自分でやるかのどちらかになりますが、これは自分が加入している保険会社によって違うようです。私が加入している保険会社は、基本は自分で相手の保険会社と交渉をしなければなりませんでした。しかし、いつもの担当者が親切な日本人の方でしたので、一緒に交渉を手伝ってくれました。ただ、運悪くこの担当者が、次の日からクリスマス休暇に入ってしまい、結局しばらくは自分で交渉することになりました。

さて、保険会社に対してclaimをあげると、その事故に対してadjuster(調整者)が担当者として割り振られます。そして、adjusterに事故の状況を話します。これをstatementというそうです。(先にも述べたように、私の場合は、相手の保険会社に対してはすでに別の被害者がclaimをあげていたので、最初からadjuster(の代理)に直接連絡をしました)。

なおこの時点で、事故の相手は保険会社に事故があったことを連絡していたものの、詳しい状況を話しておらず、まだ相手からのstatementがあがっていない状況でした。この状態では、相手の会社が責任を認めるということは難しいようです。したがって、相手がstatementをあげるのを待つことになりました。

*** レンタカーを借りる ***
車社会アメリカでは、レンタカーを借りなければ移動できません。レンタカー代は保険会社が負担してくれます。しかし、私の場合は、先にも言いましたが、なかなか相手のadjusterと繋がらず、adjusterが責任を認めるまでには至っていない段階でしたので、レンタカーを借りるべきかどうかとても迷いました。そこで、自分の保険会社の担当者と相談したところ、この事故は100%相手が悪いわけだし、見切り発車でレンタカーを借りてもいいだろうということで、Hertzで借りてきました。

このときすでにclaim numberがある場合は、それをレンタカー会社に伝えることで、保険会社に直接請求してもらうこともできるそうです。私はclaim numberを伝えていたのに、なぜか保険会社に直接請求されず、あとでレシートを相手の保険会社にFAXしてお金を返金してもらいました。保険会社といろいろやって疲れてるうえにHertzと揉める気にはならず、とりあえず建て替えで我慢しました。

レンタカーの貸出期間は保険会社によっても違いますが、私の場合は、相手の保険会社であるUSAAの規定では、廃車(total loss)の査定が終わり、保障される金額が提示された日を含めて3日間でした。ガソリン代は自腹になります。クリスマスと正月をはさんだので、約2週間借りていました。

DAY3 12/24

*** 修理の見積もりを受ける ***
次に、事故車の修理の見積もりを受けます。adjusterから、どこに車を預けているのか聞かれるので、それを伝えると、見積もりの担当者が直接出向いていって証拠写真を撮り、修理工場に修理の見積もりを依頼します。私の場合は、自分の保険会社の見積もり担当者が先に見積もりをしました。


*** 相手の会社にLiabitlityが認められる ***
自分の保険会社が見積もりをしている途中に、相手の保険会社(USAA)のadjusterに連絡がとれました。この時点で、事故の相手もきちんと状況をadjusterに伝えていたようです。事故の状況をこちらからも伝えました。既に事故の相手が素直に過失を認めていたため、adjusterもこちらの事故説明をすんなり受け入れて事故の責任をすぐに認めてくれました。事故の責任を認めることを、accept liabilityといいます。もしかしたら、ここで揉める場合も多いと思うので、私はこの点はラッキーでした。

*** 自分の保険会社のClaimを取り下げ ***
相手の保険会社が責任(liability)を認めたので、自分の保険会社のClaimは一旦取り下げ(close)することにしました。なにかあれば、またClaimを再開することができます。

*** 自動車をTotal Loss Departmentへ ***
相手の保険会社(USAA)のadjusterとの電話でのやり取りで、事故の様子を話した時点で、adjusterは「全損」と見積もったようです。そして、車はUSAAのTotal Loss Department(全損査定部門)にまわされることになりました。このとき、Total Loss Departmentの指定する工場で査定をしなければならないということで、この時点で自動車を預けていた修理工場に三者通話で電話をかけ、自動車を移動させる権利をUSAAに譲渡するという旨の連絡をさせられました。その後、自動車は修理工場から、USAAの修理工場に移動させられました。修理工場がこのあとクリスマスの休暇に入ったので、3,4日あいだが空きました。

DAY 5 - DAY 8
12/25-12/28クリスマス休暇

・・・暫くTotal Loss Departmentからの連絡を待ちます。そのまま年明けを迎えました。なぜなら、Total Loss Departmentの担当者が長い休暇を取っていたからです・・・。この後の正確な日付は覚えていません

そういえば、クリスマス休暇を見越して、一枚FAXを送りました。それは自分の車の価値を証明する書類です。私の車は5900ドルで中古車屋から買ったのですが、市場価値はそれほど高くなく、ヘタをすると2000ドルくらいしかもらえません。そこで、購入価格分は出してほしいという旨の手紙と、車を購入したときのレシートをadjusterにfaxしました。しかし、もちろんfaxが届いたことなどの確認の電話などかかってくるわけありません。何度もこちらから電話して、ようやく受け取ったことを確認しました。しかし、それがTotal Loss Departmentの担当者には渡っていなかったようで、再度Total Loss Departmentの担当者に送りなおしました。はぁ、めんどくさ。

年明け以降
正月があけて、何度も何度もTotal Loss Departmentの担当者に電話をして、ようやく連絡がとれたのは、1月5日。とにかくしつこく電話でつっつきまくって提示額だけでも聞きださないと、次の中古車を買う算段も経ちませんし、自分の車がないと仕事にも差し支えますから、一日何回も、自分の保険会社の担当者と手分けしてかけました。そして、ようやく、全損で保障される金額が提示されました。日本だと向うから電話してくるようなことでも、こっちから連絡しないと伝えてくれないのです。

この時点で、レンタカーを返す日が決定したのと、次の中古車の手持ち資金がいくらになったのかわかりました。結局4500ドルと、購入金額よりは少なかったのですが、市場価格よりは高い目にだしてくれたので、これを飲むほかはありません。もっと高い金額が欲しかったら、あとは法廷に出て行くことになりますが、たかだか1000ドルくらいで法廷に出て、貴重な時間をつぶし、ストレスにまみれて暮らすのはあまり賢いとはいえませんので、これで飲むことにしました。

自動車の所有者を示すcertificate of titleにサインして1月8日にUSAAに送りました。そこから3日間、中古車を買いにあちこち走り回り、ようやく中古車を購入です。いい中古車を見つけるのは大変でしたが、その話はここではあんまり関係ないので割愛です。

さて、もちろんアメリカのことです。すんなり4500ドルのPay Checkが送られてくるはずはありません。

certificate of titleを送って3日経ったころに、電話をしました。certificate of title、受け取ったか?と聞くために。Total Loss Departmentの担当者はもちろん留守録です。何回も何回も留守録に入れても不在。もちろんむこうからコールバックなんてしてきません。「あなた、まだそこで働いてるんですか?」と思わず皮肉を録音してしまいました。

仕方がないので、adjusterに電話するも不在。adjusterの同僚に確認をとってくれと言うも、よくわからない様子。仕方がないので、total loss departmentの担当者の同僚に確認をとりました。とりあえずcertificate of titleは受け取った模様で、その審査をしているとのことです。certificate of titleの審査なんか、なんで必要なの?

一方、レンタカーの領収書もfaxしましたが、こちらもなしのつぶて。adjusterに何度も電話して、ようやくadjusterからコールバック。レンタカーの建て代えた分の570ドルは、ようやく本日1月23日に受け取りました。

そして、今日、total loss departmentの担当者の同僚にようやく連絡がついたので、4500ドルのpay checkをまだ受け取っていないと伝えたところ、ようやく送る処理をしているようです。


*******
すべてが終わっておもうことは、自分の保険会社の担当者には、信頼できる人を選ぶことです。私の場合は自分が6割程度の交渉を受け持ちましたが、残りの4割程度は自分の保険会社の担当者がやってくれました。三者通話で支援してくれたこともあります。連日一人で相手の保険会社に電話をかけ続けるのに疲れたら、この担当者に「そちらからもつっついてください」お願いしていました。しかも日本人の方だったので、その分ストレスが軽減しました。日本語でコミュニケーションできるということよりも、こういう習慣は日本人なら知らないだろうということを理解して支援してくださるからです。私の場合は、レンタカーを借りるときに、相手がliabilityを認めていなくても、もう借りてしまって請求を勝手に向うにまわすぐらい強気でいけばいいというアドバイスを受けたり、こういう場合にはどんどんプッシュしてしつこいくらい電話をかけたほうがいい、というようなアドバイスをいただきました。また、これは日本人だからだというわけではなく、その担当者が親切だっただけですが、相手に送るFAXの文面も一緒に考えてくださいました。いろいろと専門的な知識を持った人の支援があったので、交渉なども自信を持ってできたのだと思います。
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by toshishyun | 2009-01-24 17:56 | アメリカ文化
夕方にサンフランシスコに行きました。

サンフランシスコは、夕暮れ時が世界で最も美しい街じゃないかと思います。ツインピークスという高台があるので、そこに行って街を眺めることにしました。

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このように街全体を見渡すことができます。ゴールデンゲートブリッジも一望できます。

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ツインピークスから街中への帰り路では、スコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」をかけてドライブしました。

愛と平和を求めたヒッピームーブメントが盛んだった、60年代の優しくお洒落なサンフランシスコの様子を歌ったこの歌のサイケデリックな雰囲気に包まれてのドライブはなかなか味があるものでした。

車中から街角に目をやると、ゲイのカップル達とレインボーの旗(レインボーはゲイのシンボル)。人が自由にお洒落に優しく生きることのできる街を見て、気持ちが温かくなったような気がしました。

Scott Mckenzie - San Francisco



If you're going to San Francisco
Be sure to wear some flowers in your hair
If you're going to San Francisco
You're gonna meet some gentle people there

(サンフランシスコに行くんだったら 髪に花を挿して行こう
サンフランシスコに行ったら きっと優しい人々に出逢うでしょう)
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by toshishyun | 2009-01-19 15:16 | アメリカ文化

字が読めるということ

今日、ウォルマートというスーパーに買い物に行ったときのことです。

ちなみにウォルマートというのは、安売りの巨大スーパーで、どちらかというと所得がそれほど高くない人々が行くスーパーです。隣町にあるちょっとおしゃれなスーパーと比べてみても、人種構成も違えば、駐車場に停まっている車種も違います。なぜ安売りなのかというと、そこで働く人たちの給料がとてつもなく低いからです。

さて、僕が洗剤を買おうとしていたら、「ちょっと手伝ってもらえませんか」と同じ通路にいた店員さんから声をかけられました。なんだろうと近づくと、どうやら目の見えないお客さんを案内している様子。手にした洗剤らしきものを僕に手渡し、「ちょっと、これ読んでもらえませんか?」とのこと。

お客さんのほうが、「ちょっとあたし目が見えないから、これの使い方読んでくれない?」とぶっきらぼうな英語で僕に言います。

続いて店員さんがいいます。「私は字が読めないもので・・・」。よく見ると細かな文字でびっしり、注意書きやら成分やらなんやらが書いてあります。

結局それはトイレ用の洗剤だったのですが、僕はそこに書いてあった使い方を読みあげ、商品名を教えてあげました。

「ありがとうございます。私は字が読めないので・・・」と店員さんは言いました。そのまま、店員さんはお客さんの手をひいて、次のところへと案内していきました。どうやら、お客さんの買い物にひととおり付き合ってあげているようです。

出来事としてはそれだけのことだったのですが、これはアメリカらしいと思った出来事でした。

店員さんが字が読めないということ。こういう出来事がないとあまり気がつきませんけど、やっぱり字が読めない人って身近にけっこういるんですね。日本では字が読めるということがもはや当たり前になっていますが。

アメリカの研究者が、アメリカの所得格差を調べるために実際にウォルマートで働いたという研究があるんですが、そこでわかったのは、とてもではないが暮らしていけないほどの劣悪な就業環境だということ。従業員には保険すら加入させていません。字が読めない人がそういう環境で働いているのは、アメリカ社会の負の部分を象徴しているような気がします。

そして、外国人である僕が読み上げを依頼されたこと。きっと聞きとりにくかったことでしょう。しかし、目が見えないお客さんはそんなことお構いなしに、色々と僕に聞いてきました。まぁしかしこの点は、アメリカらしいというよりは、外国人が多いベイエリアらしいことと言うべきかもしれません。
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by toshishyun | 2009-01-14 12:32 | アメリカ文化
もうすぐクリスマスです。

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クリスマスといえばプレゼントです。アメリカでは、たくさんの人が集まったパーティで、Pick or Stealというプレゼント交換の習慣があります。ルールは簡単です。盛り上がります。

用意するもの・・・クリスマスツリー、番号の書いたチケット

1. 参加者はプレゼントを持ってきます。ひとり15ドルとか、値段を限るほうがよいでしょう。パーティーの受付で、プレゼントをわたし、番号の書いたチケットを貰います。

2. 大きなクリスマスツリーを用意して、その根元にみんなが持ち寄ったプレゼントを並べます。

3. 暫くして座が温まったところで、サンタさんが前に登場!帽子の中から番号を引きます。

4. 引かれた番号のチケットを持った人は、ツリーのところにいって、プレゼントを選びます。

5. 選んだプレゼントをみんなの前で開けて披露します。ときどきおもしろグッズなどが混じっていたりして、盛り上がります。

これだけだとただのプレゼント交換なんですが、面白いのはここからです。

4のときに、ツリーのところのプレゼントを選んでもいいのですが、自分より前の誰かが貰ったプレゼントを横取りすることもできるんです。横取りされた人は、素直にプレゼントを渡して、代わりにツリーのところで、新たなプレゼントを選びます。

Pick or Steal, 選ぶか盗むか・・・というゲームです。

この習慣、古くからある習慣というわけではないのですが、アメリカに独特のものだそうで、クリスマス風の音楽でもかけながらやると、わいわいと楽しむことができます。
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by toshishyun | 2008-12-18 16:54 | アメリカ文化

責任の所在

日本の文化で特徴的なのはなんといっても、「部下の責任をボスがかぶる」「生徒の責任を学校がかぶる」「先生の責任を校長がかぶる」ということでしょう。

いま、大学生の麻薬問題が世間を騒がしています。例えばA大学の学生が大麻をやっていたとする。そうすると、大学が記者会見なんかに出てきて「申し訳ありませんでした」と頭を下げる。アメリカの考え方では、大麻なんてのは個人の責任の範疇にはいること。なにも大学が出てきて謝ることはない。(だからと言って、大学が謝らないでもいいと言っているわけではありません。念のため)。

会社では、部下の監督責任が部下の私生活における振る舞いにまでおよぶこともある。部下にへんてこなことをされたら、上司の責任が問われるんですね。

このような文化をどう考えるか。

まぁ、上司や会社や学校が関係ない人の分まで謝るのはおかしいという考え方もあるでしょう。自分たちの責任ではないことまで組織として謝っちゃうと、できもしない責任まで抱え込んでしまうという側面もあるでしょう。

そういう問題点ばかりでなく、このような日本文化の長所に目を向けると、大麻とかそういう反社会的行為は問題外だとして、社会問題にならない範囲ならば、若手社員や生徒や学生といったまだまだ社会的に失敗をしやすい世代の若者に、「失敗はこっちで引き受けるから、失敗を恐れずに若いうちは頑張りたまえ」と組織が個人の責任をカバーしてあげる懐のひろい文化だという見方もできるでしょう。そうやって豊かな人材が育っていくのでしょう・・・組織内で責任がうやむやになっちゃう温床だともいえますが(笑)。

まぁこのように議論はつきませんが、この「個人の責任、組織の責任、上司や長の責任」というところから文化を切るととっても面白いと思います。そして、この議論をアメリカでやるとなかなか盛り上がって楽しいんですよ。

ただ、どんな文化にも根拠があり、そのような文化的な仕組みが皆を幸せにする思想や工夫があるわけですから、その文化の長所をきちんと説明することで、「日本人はおかしい」というように誤解されないようにしないといけないと思います。
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by toshishyun | 2008-12-06 07:53 | アメリカ文化