中植正剛 神戸親和女子大学准教授 教育工学を専門にする大学教員の日々の雑感


by toshishyun

Dell Streak 復活

先日、自宅マンションの立体駐車場の暗渠に水没して壊れたスマートフォン Dell Streak が復活。・・・と言っても、白ロムを購入してSIMを差し替えただけなのですが。保険に入っていないと、水没させた場合、交換に4-5万円(涙)かかるということで、白ロムだと25000円。選択の余地はないでしょう。(ソフトバンクも、最後は投げ売り状態(0円)だったし、10月で販売も停止してるんだから、もう少し安くで交換してくれてもいいのになぁ。)

ただ、せっかくなので、これを機会に新機をスピードアップすることにしました。

旧機(左:水没)と新機(右:白ロム)
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・注:白ロムを購入するときは、赤ロムに気をつけましょう。赤ロムとは、前の所有者が月賦で機器代を払っていて、その月賦が滞った際にソフトバンクから遠隔でロックをかけられてしまった機体です。製造番号をソフトバンクのウェブサイトのチェッカーでチェックすることで確認できます。中古の場合、商品引き渡しの後で、以前の所有者が月賦を払わなくなるという詐欺もあるようです(法的には購入側は善意の第三者なんだから、遠隔ロックをかけてしまうのはやりすぎだと個人的には思うのです。ドコモはそんなことしてないんですから)。

さて、Dell Streakは面白い構造をしていて、後から挿すMicroSDとは別に、内蔵されているRAMもMicroSDなのです。これをClass10のものに挿しかえることでスピードアップが図れます。内蔵RAMの容量も増えます。

デフォルトでは2GBのSDが挿してあります。今回は予算の都合上、4GBにすることにしました。PanasonicのMicroSD HCを使用。Dell StreakとClass10のMicroSDは相性があるようですが、結論から言うと、Panasonicは特に問題なく動作しました。

分解の下調べをしたところ、今の時代はありがたいもので、すでにyoutubeに分解のやり方がアップされていました。それを参考にしながらバラしました。
・Tinhte.com – Ph?u thu?t Dell Mini 5

使用する工具は二種類。5Tのトルクスドライバこじあけです。
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こじあけは、時計の電池を交換する際に、裏ぶたをこじ開けるための道具です。鋭利なのでけがをしないように注意しながら使います。挿しこんだら、てこのようにしてそのまま力を加えます。ねじってはいけません。

せっかくお亡くなりになった旧機があるので、まずはそちらを分解して練習です。基本的に上記の動画の通りに分解するのですが、注意点が見つかりました。

・最初にめくりあげるホームボタンやメニューボタンがあるプラスチック。液晶側からめくるのは半分程度にしておいて、残りは反対側(端っこ)からめくってゆきます。液晶側からのこじ開けの度がすぎると、本体とプラスチックをつないでいるケーブルに負担がかかります。あと、端側からめくると、プラスチックと本体とをとめている両面テープが断裂しにくいように感じます。一気にめくらず、少しずつ丁寧にめくります。
・こじあけは奥のほうまでつっこまず、隙間に垂直にそっと入れてやるだけで十分です。

あとはこの辺を参考にして分解しました。
http://booleestreet.xii.jp/archives/4093

その後、新機を分解。緊張した~。変なことしたら25,000円がパーですから。
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で、MicroSDはこんな感じです。
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お目当ての内蔵MicroSDを取り出したら、一応バックアップをとっておきます。Ubuntu(linux)をDVDに焼いて、普段使用しているLet's Noteで起動しました。

PanasonicのMicroSDを購入したときにアダプターがついてきたので、そこにMicroSDを挿し、Let's NoteのSDスロットに挿入です。

しかし、UbuntuによるLet's Noteの内蔵SDリーダーの認識にはなにやら問題があるようです。GUI上でMicroSDにアクセスしようとしたところ、ドライブのアイコンが消えました。しかし、一応認識はしています。そのまま作業をすすめました。

念の為、DDでバックアップをとります。MicroSDのデバイスファイルは/dev/mmcblk0です。下記のようにマウントをはずして実行しました。なお、/media/USBは、USBメモリーをマウントしたディレクトリーです。
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このバックアップを新しい4GBのMicroSDに戻して使うこともできます(いちおう動作は確認した)。ただし、それでは元の容量の2GBしか使えないので、結局僕はClass 10 4GBをそのまま使用しました。動作確認のために2GBのイメージをレストアしたClass10 4GBのMicroSDをfdiskで初期化。それをそのままDell Streakに挿して組み立て。

電源を入れると、自動的にDell Streakが新しいMicroSDをフォーマットしてくれます。あとは使うだけ。もちろん、この場合はアプリなどはすべてインストールしなおさなければなりません。

まぁ、そんなこんなで、参考にしたサイトにほとんどのことが載っているので、だいぶ説明を端折りましたけど、とりあえずそんな感じで新機は元気に動いてくれています。クラウドでデータを保存していたので、失ったデータもそれほど多くはなく、助かりました。

体感的にはClass10にしたことでアプリの起動が速くなったような気がします。

ついでに、新しいケースも買いました。水没から心機一転、楽しくStreakを使えそうです。
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# by toshishyun | 2011-12-23 14:30 | その他
iphoneで360度パノラマビデオが撮影できるKogeto Dotが先月発売された。これは教材づくりや授業研究に大きな可能性をもたらすだろう。

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たった$79。安い。激安だと思う。10年ほど前にパノラマ動画を撮影しようと思えば100万円以上の機材を買わなければできなかった。

Kogeto Dot。たとえば、授業研究でいえば、新任教師など、若手の育成に活用できるのではないだろうか。

新人とベテランの能力の違いを比較する研究をノービス・エキスパート研究というが、この領域で明らかになっていることは、同じ現象を見ても、新人とベテランでは注視する個所が全く違うということである。教師について言えば、その力量や授業観によって観察するポイントが異なるものである。授業に対する理解が深まるほど、ベテランになるほど、授業者の動きではなく生徒の詳細な様子に注意がはらわれるようになると言われている。

したがって、たとえば、ベテランと若手の教師がKogeto Dotで撮影したビデオを共に観ることによって、お互いの授業の注視する個所の違いについて対話をし、それによって若手の授業を見る目を養うことができる可能性がある。

簡単に言うと、自分の授業の中で「一体何が起こっているのか?」を若手がベテランから学ぶことができるということである。

これは、これまでのビデオでもできないことはないが、難しかった。なぜなら、普通のビデオは撮影する時点で撮影者の主観でフレーム(注視点)がある程度決まってしまっているからである。そして、フレームの外側で起こっていることは見ることができない。

もちろん、ライブの授業研究だと同様のことはできるかもしれない。ただ、ライブの授業ではいろんなことが雑多に、同時多発的に起こっている。ビデオを使うと、ライブでは見逃してしまうようなことも、落ち着いてじっくりと何度も繰り返し見ながら対話ができるという良さがある。

ちなみに、エキスパートが初心者の注視点をガイドしてやることを「ガイデッドノーティシング」(導かれた気づき)と言う。いろいろな学びの場面で応用できる考えかたである。

Kogeto Dot 公式サイト
Kogeto Dot発売開始 QTVR Diary
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# by toshishyun | 2011-12-04 18:52 | ラーニングとテクノロジー

高等学校の学力向上

しばらく放置していたブログを再開しようと思う。

今月は県内のK高等学校で学力向上についての話をすることになっているので、その準備を進めている。ポイントは3つ。

1. 授業研究を学校改善の文脈に位置づけ、生徒理解をその中心に据える

高校における授業研究は回数が少なく、形式的に済ませているものも少なくない。授業研究をワークショップ型で実施することで教師同士がそれぞれの内省を共有しあえる場をつくる。教師の指導方法ではなく、生徒の実態理解を対話の中心に据えることで、教師同士が共に学びあえるコミュニティーを作り上げてゆき、それを通して、授業改善やカリキュラム改善につなげてゆく。

2. リフレクションに徹底的に取り組む

最近の高校はキャリア教育や体験型の校外学習や留学体験を取り入れている学校が増えている。しかし、体験しっぱなしの場合も多い。デューイによると、経験は内省を通すことで知識として再構築されなければ学びにはならない。生徒にリフレクション(ふりかえり)をさせる工夫をする。そして、体験を同級生や後輩とシェアする機会を設けることで、生徒同士が刺激しあう、K高等学校独自の学びの共同体文化を創りだす。それを教科への学習の力にかえす。

3. 書くことを軸にして学力の向上をはかる

文章が書けない社会人が問題になっている。大学生でも、文章が書ける学生と書けない学生の格差は大きい。高校までにどれだけ文章を書いてきたのかが、その後の能力形成に大きな影響を及ぼしている。

毎回の授業の最後に簡単な授業の振り返りを書かせ、それを通して教師が生徒とコミュニケーションをはかることで、文章で自分の思考や感情を表現する習慣を積み上げる。よい感想はクラスにフィードバックすることで授業の活性化をはかる。すべての教科で3年間続けることで、短い時間でしっかり書く力がつく。書く力だけでなく、発表やディスカッションでの言語能力にもつながってくる。このような力は、教科における言語活動や、2のリフレクションに活きてくる。
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# by toshishyun | 2011-12-03 23:04 | 授業研究
僕は神戸で育った。だから阪神大震災を昨日のことのように思い出せる。神戸の震災とは全く違うタイプの今回の未曾有の大震災を見ていると、当時を思い出していろいろと考えることがある。

今回の震災から遠く離れた関西地方に住む人々の多くは、一体自分に何ができるのかを自問自答していることだと思うし、ツイッターでも、関西人による「何もできない自分が歯がゆい」というようなツイートを見かける。しかし、遠く離れているからこそできる支援というのもある。

それは、いまから数カ月、数年をかけて立ち直ってゆかねばならない震災の被災者を、いつまでも気にかけ、励ましの祈りを続けてゆくということである。

震源地の揺れに始まる震災は、一次災害、二次災害、三次災害・・・とさまざまな余波を世の中にもたらす。それは十次災害、二十次災害と、だんだんと形と大きさを変えながら、それこそ津波の波が広がってゆくように、被災地の人々の生活や人生の隅々にまで入り込んでゆく。

同時に、復興への歩みが始まってゆく。復興で注目されるのは、建物の復旧やライフラインの復旧など、一次災害、二次災害のような直接的な災害である。それは大事なことであるし、もちろん、注目に値することでもある。

しかし、現地の被災者にとっての本当の復興への戦いは、そのような直接的な被害から派生する様々な問題、例えば、心のケアや、対立した家族の絆の復旧、寸断された生活の立て直し、すっかり変わってしまった生活への対応など、どちらかといえば個人の自己責任とされる領域における闘いである。最終的には、天災という突然襲ってきた出来事に対して、被災者は個人的に向き合わなければならないのである。

メディアや世間の関心が社会的な復興に注目されている中で、そのような個人的な闘いは孤独な闘いでもある。そして、こういう状況におかれている被災者にとって辛いのは、被災地域以外の人々、つまり今回の地震では、関西にいる私たちのように「遠い人々」の関心が徐々に薄れてゆくことである。

神戸の震災を振り返ると、あの震災は都市直下型であったから、隣の大阪や京都はすぐに普通の生活に戻った。わずか数十キロを隔ててこちらは地獄、あちらは普通の生活という状況に不思議な思いを抱いたことを思い出す。テレビや新聞は数か月もしないうちに震災のことを報道しなくなった。そして、僕は京都の大学に通っていたので、震災とはもはや関係のない普通の生活を送る大阪や京都出身の友人達のはざまで、家を失った自分の家族がなんとなく世の中から置き去りにされてゆくような感覚を味わった。

復興は一次災害、二次災害からの復興だけではない。十次災害、二十次災害という、見えにくい災害から、個人個人が復興していかなければならない。日本人は謙虚だから、個人的な復旧の闘いを「大変だ。」「辛い。」「気にかけてほしい。」とはなかなか言えない。だからこそ、私たちが「見守っている」というメッセージを積極的に発し続けることが大切なのだと思う。

本来ならばすぐに関心が風化してしまうような遠い存在である関西の私たちが、東北・北関東の被災地の人達のために祈りを継続することが、かの地の人々の心を支え続ける。近い存在の人が祈ってくれることはありがたいが、同時に、東北や北関東から離れた遠い存在であるからこそ、関西の我々が祈り続けることに重さがあるのではないだろうか。
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# by toshishyun | 2011-03-13 13:10 | その他
今日は昨年アメリカで見かけた算数教具「デジブロック」を紹介したいと思います。これは、低学年の児童が十進位取り記数法を学習するための教具です。

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(写真 http://digiblock.stores.yahoo.net/classroom-bundles.html より引用)

低学年の児童にとって、十進位取り記数法を体感的に理解することは、重要であると同時に、困難を伴うものです。「繰り下がりのある筆算ができない」などという声を教師から聞くことがありますが、機械的に筆算を教える以前に、児童に十進位取りのイメージを体得させることができていたかどうかを点検してみるとよいでしょう。

というのも、筆算というのはアルゴリズム(形式化された手順)であるわけで、アルゴリズムとは、本来の思考活動を短縮して気軽に実行するためのものであり、そのウラで起こっていることへの理解が伴ってこそ、そのよさがわかり、有効に使えるようになるからです。また、理解を伴ってできることで、アルゴリズムにつまづいたときに、自分の力で直していくことができるのです

さて、十進位取り記数法を学ぶためにはさまざまな教具が存在します。アメリカでよく見かけたのは、Base10 Blocksというものです。
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この教具は、単位量の大きさを元にして面積や体積の考え方を学ぶには適していますが、十進記数法を学ぶにあたっては問題があります。たとえば、Base10 Blocksを使って数を表すと次のようになります。
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このような表現方法では、100の位の形(面)と、10の位の形(棒)と、1の位の形(立方体)が異なり、十進数の正確な概念を表したことにはなりません。十進数の特徴は、10の位、あるいは100の位だけに注目したとき、そこには1の位と同じく、1~9の数が並んでいるということです。つまり、どの位に着目しても、ブロックは同じ形をしていなければならないのです。

この点、日本の算数セットに含まれている数え棒は優秀です。
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(写真 http://www.gakkoukyouzai.com/store/show_product/891 より引用)
棒を10個集めて束にしたときに、できた束と元の棒の形状が似ているからです。しかし、それぞれの形状が似ているとはいえ、やはり似て非なるものです。たとえば、10を表す束を見たとき、それが10の位の1、つまり集合体として1つのものを表すのか、それとも棒が10個集まった状態を表すのかにあいまいさが残ります。


デジブロックはうまくできています。1を表すブロックを10個集めると、10の位を表す一回り大きなサイズのブロックが1個できあがります。1を表すブロックの形状と10を表すブロックの形状はまったく同じです。ただし、10を表すブロックのサイズは、1を表すブロックのサイズの10倍です。



同様に、10を表すブロックを10個集めると100を表すブロックが1個出来上がります。



たとえば、125は次のように表されます。
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(写真: http://www.digi-block.com/product/ より引用)

まとめると、デジブロックの特徴は次のとおりです。

・1の位、10の位、100の位など、それぞれの位を表すブロックの形状が同じである。十進記数法において、どの位を抽出しても他の位と同様に1~9までの数で構成されるという、まるでフラクタルのような特徴に対応している。
・位が10倍になると、ブロックのサイズが10倍になる
・ある位のブロックが10個そろうと、上位のブロックにカプセル化される。カプセル化されることで、それはもはや10個ではなくなり、ひとまとまりとしての1として認識される
・カプセルを開くと、下位の数に分解が可能である。

いかがでしょうか。僕はなかなかよくできた教具だと思います。こういうブロックでしっかりと遊びながら十進位取りの感覚を身につけてこそ、繰り上がりや繰り下がりのある計算について、理解をともなったマスターができるのではないでしょうか。

しっかりと位取りのイメージができていれば、たとえば繰り下がりのある筆算の指導をする際に、上位数を崩して下位数に10を借りてくるということもスッと理解させられるはずです。そして、いったん理解ができれば、あとは繰り返し練習で定着あるのみです。

さて、デジブロックはハーバード大学ビジネススクールの教授が考え出した教具で、彼の息子さんから紹介してもらいました。デジブロックのホームページはこちらです(英語です)。

http://www.digi-block.com/about/howItWorks.html

購入は下記のページからとなっていますが、日本に輸入できるのかどうかは未確認です。例によって僕はなんとかして入手しようと思いますので、お知り合いの方で見てみたいという方は声をかけてください。なお、ホームページでは、トモエ算盤が扱っていると書いていますが、残念ながらトモエそろばんのホームページでデジブロックが見つかりません・・・。

いずれにせよ、入手方法についてはこれから調査をして、後日このブログで報告します。

http://digiblock.stores.yahoo.net/

参考文献: 片桐重男(2004)「数学的な考え方の具体化と指導 -算数・数学科の真の学力向上を目指して-」 新版数学的な考え方とその指導 第1巻 明治図書
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# by toshishyun | 2010-07-20 00:19 | ラーニングとテクノロジー