中植正剛 神戸親和女子大学准教授 教育工学を専門にする大学教員の日々の雑感


by toshishyun

高等学校の学力向上

しばらく放置していたブログを再開しようと思う。

今月は県内のK高等学校で学力向上についての話をすることになっているので、その準備を進めている。ポイントは3つ。

1. 授業研究を学校改善の文脈に位置づけ、生徒理解をその中心に据える

高校における授業研究は回数が少なく、形式的に済ませているものも少なくない。授業研究をワークショップ型で実施することで教師同士がそれぞれの内省を共有しあえる場をつくる。教師の指導方法ではなく、生徒の実態理解を対話の中心に据えることで、教師同士が共に学びあえるコミュニティーを作り上げてゆき、それを通して、授業改善やカリキュラム改善につなげてゆく。

2. リフレクションに徹底的に取り組む

最近の高校はキャリア教育や体験型の校外学習や留学体験を取り入れている学校が増えている。しかし、体験しっぱなしの場合も多い。デューイによると、経験は内省を通すことで知識として再構築されなければ学びにはならない。生徒にリフレクション(ふりかえり)をさせる工夫をする。そして、体験を同級生や後輩とシェアする機会を設けることで、生徒同士が刺激しあう、K高等学校独自の学びの共同体文化を創りだす。それを教科への学習の力にかえす。

3. 書くことを軸にして学力の向上をはかる

文章が書けない社会人が問題になっている。大学生でも、文章が書ける学生と書けない学生の格差は大きい。高校までにどれだけ文章を書いてきたのかが、その後の能力形成に大きな影響を及ぼしている。

毎回の授業の最後に簡単な授業の振り返りを書かせ、それを通して教師が生徒とコミュニケーションをはかることで、文章で自分の思考や感情を表現する習慣を積み上げる。よい感想はクラスにフィードバックすることで授業の活性化をはかる。すべての教科で3年間続けることで、短い時間でしっかり書く力がつく。書く力だけでなく、発表やディスカッションでの言語能力にもつながってくる。このような力は、教科における言語活動や、2のリフレクションに活きてくる。
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by toshishyun | 2011-12-03 23:04 | 授業研究