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中植正剛 神戸親和女子大学准教授 教育工学を専門にする大学教員の日々の雑感


by toshishyun

授業研究インタビュー

米国滞在も残るところあと少なくなって、最近はベイエリアの小学校の先生たちに、授業研究のことをインタビューしている。お一人90分程度をいただいてお話いただいている。こちらの先生は、報酬を提示しないと通常はこういうインタビューには参加してくれないものだが、みなさんとても親切で、無償で応じてくださっている。

数名から話を聞いて見えてきたのは、日本の学校の次のような良さである。

 ・ 授業研究(教員研修)の人的ネットワークがしっかりしていること。この内容なら、あそこのあの人に助言指導に来てもらったらいいというのが、すぐにわかる。
 ・ 相互扶助の文化があること。授業研究でちょっと教室を留守に、という場合の同僚のフォローがある。子どもたちに自習をさせられる安心感
 ・ 生徒が下校してからも、きちんと働く習慣。学校をよくするため、教える仕事以外の仕事も積極的にみんなで引き受けようという文化
 ・ 校長の裁量で、教員がわりと自由にやらせてもらえるところ。アメリカと違って、校長には予算や人事の権限はほとんどないが、そのかわり、自発的に頑張ろうという教員には、わりと目をつぶって自由にやらせてもらえる。
 ・ 標準テストの結果が公開されないので、総合的に子どもの学力を伸ばしてやろうという文化がある。アメリカの教師は、学力テストが公開されるので、どうしても理解をさせるのではなく、テストの点を伸ばすための教え込みになりがち

まぁ、だいたいこういうところであるが、詳細はそのうち論文にまとめようと思う。
by toshishyun | 2009-07-07 15:44 | ラーニングとテクノロジー