授業研究 教師の授業を見る目
2009年 06月 21日
Sherinのビデオクラブの研究。自分達の授業をビデオに撮り、同僚と協調してその分析をするというプロフェッショナルディベロップメント。
人は、専門的な経験を積むと、ある現象のどこに注目するかが変わってくる。つまり、どんな職業でも、その職業なりのモノの見方というものを身につけてゆく。Goodwinは、そういう専門家なりのモノの見方を「プロフェッショナルビジョン」と名づけた。
教師のプロフェショナルビジョンを研究したビデオクラブでは、実践のあいだに、教師の授業の語りが次のように変化した
・ 教師の教え方から、生徒の学習活動に注目が移った
・ 教え方をどう改善したらいいかという提案から、授業で実際に何が起こっているのかを理解しようとするようになった。
・ 授業で起こったことを単になぞっているだけの発言から、その出来事を深く理解しようとする発言になった
これは、アメリカの授業研究における討論でも、確認されている。つまり、授業研究を始めたばかりのグループでは、当初は、先生の教え方をどのように改善したらよいのかという議論が中心に行われるが、次第に、生徒がどのように学んでいるのか、観察したデータを用いてその実態を理解することに時間が割かれるようになり、その理解に基づいて次の改善を考えようとする討論へと変化してゆく。
(参考文献:Sherin, M. G., & Han, S. Y. (2004). Teacher Learning in the Context of a Video Club. Teaching & Teacher Education: An International Journal of Research and Studies, 20.)